ロールズ 無知のヴェールとは?
さて第一回目はロールズだ。順序的に謎すぎるが個人的に無知のヴェールについての批判を発見してから書きたくてたまらなくなってしまった。
ギリシャ思想からやってもどうせつまんないだろうから現代に近い思想からやっていこうかな。
ジョン・ロールズ よく教科書ではロールズと省略されて書いてあるね。まず彼の生い立ちから追っていこう。
ジョン・ロールズ John Bordley Rawls 1921~2002 アメリカ合衆国の政治学者・倫理学者
プリンストン大学に入学して哲学に関心を持つ。
大学卒業後アメリカ軍に従事する。
広島原爆投下を目の当たりにし軍隊を去る。
その後はMITやハーバード大学で哲学を教えていた。
1995年にReflections on Hiroshima: 50 Years after Hiroshimaという論文を書く。
(Dissent Magazineオンラインで原文が読めます。 すごい時代だ!)
ロールズは原爆投下について「すさまじい悪行」として批判した。
さて早速彼の思想を学ぼう。
まず最初にロールズは差別がとても嫌いだということを覚えておいてくれ。
彼は社会契約の学説を参考にしていて、功利主義との概念とは対立しているんだ。
(一応ざっくりと社会契約説と功利主義についてこのページの下で説明します。)
なぜなら功利主義は最大多数に最大幸福を重視するが故、少数派が見捨てられる
多数決の立場に立っているからだ。
ロールズは社会を構成しているすべての人に自由を平等に分配することを重要だと考えたんだ。
そこで彼が考えたのが無知のヴェールだ!!!なんかカッコイイ!!
無知のヴェールとは、もし社会の制度やルールを決めるときに自分に関する情報が一切わからないとするとき(例えば性別、健康状態、お金など)この状態を原初状態とするときに以下の2つのこと(第一原理、第二原理)に同意するだろうと考えたんだ
第一原理:平等な自由の原理 すべての人が等しく自由を持つということ
第二原理:不平等を認める原理 (以下の2つの場合に限って不平等が認めらる)
1.公正な機会均等原理:すべての人に同一の機会が与えられた上で、公正な競争いによって生じた場合 (例えばテストを受けて点数や成績によってクラス分けされること)
2.格差原理:最も恵まれない人々の生活の改善につながる場合
の以上だ。
そしてこのロールズの主張は積極的差別是正政策(アファーマティブアクション)に大きな影響を与えたんだ。
※最近では積極的格差是正措置と訳される
例としては入学試験において白人をプラスマイナス0点
黒人に対しては+10点 アジア人に対してはー10点など点数調整を行うことを言う。
つい最近まで実際にアメリカでは行われていた。
(数値は例である 詳しくはwikipedia アファーマティブアクション参照のこと)
さてここまでは基礎的な知識に対して説明を加えてきた。
ここからは無知のヴェールや原初状態に対しての批判を見ていこう。
共同体主義者(コミュニタリアン)からの批判
※共同体主義者については後日記述する
彼らの批判は、我々人間は歴史的及び文化的な背景を持った社会から自我を獲得しているため、原初状態を社会から切り離して考えることはできないと説いた。原初状態を抽象的で非現実的と批判した。
他にもJ.Eローマーの批判などがあるが非常に難解であるため割愛する。
「原初状態再考 2 無知のベールをめぐって」でわかりやすく解説されている。
加えてロールズ正義論の再検討という50ページに及ぶ論文もあるので興味のある人はネットで調べてみてください。
以上、ざっくりロールズについて解説してみた。
[補足] これも後日詳しく解説する。
社会契約説:平等な個人間の契約によって社会が成立するという考え。
17―18世紀のヨーロッパで展開されたホッブズ、ロック、ルソーらが有名。
功利主義:ベンサムに始まる「最大多数の最大幸福」が決まり文句。
快楽を量的に計算する
法律的制裁を重視し 帰結主義の立場に立つ。
のちにJ.Sミルが質的功利主義を訴える
彼は良心に基づく内的制裁を重視した
また他者危害原理を解いた。
他者危害原理とは他者に危害を及ぼさない限り、自由を制限してはいけないということ
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